東京-江戸ラジオプロジェクトのご紹介
このプロジェクト は過去の時代の記憶を留めている東京の街区の情報を、インターネットラジオという優れた音声情報により世界中の人びとに発信・提供することを目的として、 明治大学により企画・運営されています。この取り組みは、人文科学とテクノロジーを結びつけ経済の活性化を促そうとする大変ユニークな試みです。
ある特定の町や街区を研究して いく過程では、多面的なアプローチの仕方で研究を進めることが、より優れた結果を得ることに繋がることは言うまでもありません。例えば、浅草のようなかつ て隆盛を誇った歓楽街の変遷を研究していくためには、その町の都市計画や地場産業の形態などを考慮に入れていくことが大変重要です。
このプロジェクトでは、ある特定の町や街区の歴史的な変遷、地元の人々に残っている記憶、当時のファッションや流行などを取り上げると同時に、都市政策面の分析、人々の考え方やメデイアが政治や社会に与えた影響にまで視野を広げ、それらを社会 学、人文科学といった学術的な視点で捉えることで、その歓楽街に起きた出来事を理解しようとしています。
ここで重要なことは、どうすれ ばそのような多次元アプローチが可能となり、深い理解を得られるかと言うことです。そのためにはまず、地理的に限定された地域を特定して研究することが重 要であり、またそうすることが実際にその地域で暮らしている人々から深い情報や知識を得られるという実利をもたらしてくれるのです。
さらには日本学における国際的な学術交流を地域の発展に繋げるために、トピックスに関しては 広い研究窓口をもうけること、また同時にその研究が集中的に調査分析できる特定の地域に限定してなされることが不可欠です。私たちの調査の目的はまさにこ の点にあり、東京の中でも、歴史的、文化的にとても重要な地域である浅草に一つの焦点を当てています。
加えて、この地域は観光資源として無限の可能性を秘めています。私たちの使命は、この古き良 き下町を限定的な対象とすることにより、人文学的手法による成果を日本の社会に広く貢献できるものにすることです。私たちのラジオプログラムは、日本の文化という知的遺産を世界中から知ることが出来るように 多くの質の高い情報を発信し、またそれを求める全ての人々の期待に応えることを目指しています。
明治大学文学部教授
井戸田 総一郎